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2019年5月8日 珍しい模様のヨーロッパ産カエデ古材バイオリン

バイオリンの材料のマツやカエデは日本にも世界中にもあります。魚の鯉も日本にもいますが、世界中にも鯉はいます。

特にドイツの鯉は日本の鯉にはない特徴のある模様がでています。鏡のように光る丸い模様が特徴です。

私が今回作っているバイオリンのカエデはドイツの鯉の模様によく似ています。

 

 ヨーロッパ産カエデ古材

このバイオリンは2枚ハギの裏板ですが、左面には黒いシミや節があります。しかし模様があまりにもきれいなので、

埋め木の修理をしてそのまま使うことにしました。廃棄するにはしのびない珍しい材料です。

   

 節やシミのある裏板

 真っ白な表板

表板はイタリアドロミーテのアベーテロッソです。バイオリンはグアルネリ・デル・ジェズのモデルです。


2019年4月18日 バイオリン、ビオラ、チェロの弓製作

 5月2日(木)3日(金)に行われる関西弦楽器製作者協会の展示会には例年のごとく、バイオリン、ビオラ、チェロを

出展しますが、そのほかに弓も出展します。私は合計9本の弓を製作しました。

バイオリン弓3本、ビオラ弓3本、チェロ弓3本です。

展示会では試し弾きのために楽器や弓の持ち込みは自由ですので、どうぞ私の弓も試してみて下さい。

昨年は体調を崩し、あまり思うように製作できませんでしたが、今年は大変体調も良く、楽器や弓の製作に励んでいます。

   

 弓製作

 バイオリン弓のヘッド

   

 チェロ弓のフロッグと刻印

 展示会出展の9本の弓


 2019年4月10日 私の製作したカサドモデルのチェロ

 今から20年ほど前に京都市交響楽団の団員のチェリストにチェコ人の人がいました。その人は自分のチェロを持っていましたが、

京響にあるオールド物のチェロを使用することを希望しました。その後、ピエトロ・グアルネリのチェロを調整してほしいと京響の

事務局から電話で依頼がありました。京響へ行ってみると、そのチェロは世界的に有名なカサド・ガスパルが所有していた

チェロでした。カサドは日本人ピアニストの原智恵子と結婚していて、そのチェロはカサドの死後、日本に運ばれてきたものです

そのチェロが入っていたケースには京都市立芸術大学とシールが張られていました。巡り巡って音大に寄付されたのかも

わかりません。私は楽器のいきさつはなぜか気に留めていませんでした。それより駒と魂柱の修理で頭がいっぱいでした。

その後、チェコのチェリストの人はそのチェロを持って私の工房まで来て、どんな素材の駒や魂柱を使うのか見せてほしいと

在庫の中から、机の上にその駒や魂柱を落としてはどんな響きの音が出るかを確かめていました。そして自分の気に入った

材料で調整して欲しいと、とても熱心にその作業を繰り返していました。

1週間ほどチェロを預かったので、仕事の前にまず写真を撮りました。その写真が下記のものです。

   

  カサド・ガスパルが使用していたヴェツィアのピエトロ・グアルネリ

その後このチェロの寸法などは採寸したので、ピエトログアルネリモデルのチェロを何本か作りました。

この前、京橋の店にN氏が2015年に製作したこのモデルのチェロ点検に持ってこられました。

 
N氏と私が製作したカサドモデルのチェロ 


2019年3月2日 バイオリンのニス塗り

 京橋にも工房を開業してからニス塗りは京橋でやっています。枚方の古民家は窓が小さく土壁なので部屋の中は薄暗いです。

かたや京橋はビルの2階なので光がいっぱい入り、その上壁紙は白色でとても部屋が明るいです。

   

 京橋でのニス塗り

 少し陰影をつけたニス仕上げ

私は周りの環境に大きく影響を受けながら楽器を作っていることがはっきりしました。此処でニスを塗っていると色も随分明るく

なりました。虎杢をくっきり出すために木の密度のある部分にはプロポリスを多く入れました。

   

 裏板の外周が濃い色になっています

 北イタリア ドロミーテの材料置き場

ニスの色は下地に黄色をいっぱい塗り、その上にオレンジ色をつけると写真左のように黄金色に似た感じになります。

このバイオリンの裏板はボスニア産のカエデで写真上右はマエストロ・モラッシーと彼の幼馴染で材木業を営んでいる人です。

この人がボスニアまでトラックに乗って丸太を買い付けてきます。私が1992年イタリアから帰国する前にここへ行って選んだ

カエデ材がこのバイオリンの裏板となっています。これ以上深い杢は無いというような材料です。


2019年2月14日 新しい試みのバイオリン

 新しいバイオリンを作りはじめました。このバイオリンは内型から作りはじめました。欅の板目取りの1枚板の材料を使いました。

欅なのできれいな模様がでています。

   

四面割り材のブロックと力木

 欅の内型

ブロック材と力木はトウヒ材ですが、四面とも割り材です。丸太から木取りをしました。繊維が真っ直ぐ通っていて、鋸を使わず、

四面とも斧で割り出しました。これだけまっすぐ繊維が通っている材料は珍しいです。

一般に流通している材料で四面とも割り材は存在しません。そもそも木の繊維はねじれているのが普通だからです。

上の左の写真、1本は板目取り、もう一本は柾目取りです。20年ほど寝かせたので狐色になっています。

コーナーブロックと力木に使います。

   

アベーテロッソ長さは1mほどあります

 

高槻の大字原に住んでいたころ、丸太をイタリアのマエストロ・モラッシーから輸入した丸太材です。

下のアベーテロッソを伐採している写真は20年前の写真です。マエストロモラッシーはちょうど60代で現在の私と同じくらいの年令でした。

今考えると信じられないくらい元気な親方でした。

   

 35mのアベーテロッソを伐採したところ

イタリアドロミーテ・ アベーテロッソの森


2019年1月24日 古材バイオリン

 かつてイタリアのミラノにGiuseppe Guerrini というバイオリン作りがいました。25年ほど前に彼の工房を尋ねました。

話をしていると彼は古材を持っていると言い始めました。その後地下の倉庫へ私を案内してこげ茶色になっている50台位のひもでくくられた

バイオリン材料を見せてくれました。それらはあまりにも古めかしすぎて薬品処理をしている可能性もあると思い少量買いました。

虎杢も汚れすぎて、はっきり見えない状態でした。その材料は日本へ持って帰って来たものの、ずっと使わずに眠っていました。

1年くらい前にそのことを思い出し、バイオリンを作りはじめました。カンナ掛けをして表面の汚れを取るとそのカエデ板は何の変哲もない

どちらかというと虎杢がはっきりしていない低価格の部類の材料でした。

ところが厚み出しの段階までくるとこの木が異様に軽いことがわかりました。

多分本当に古い材料である可能性が濃くなってきました。

もし本当に古ければ音に反映されるだろうし、完成して弦を張るのが楽しみです。

   

 地味な虎杢の2枚ハギのカエデ

 白木バイオリン完成


2019年1月6日 ネック製作とアリア

   

 京橋では製作の時、ほとんど音の出ないバイオリンのネックを作っています。ネックの作業は丸ノミを多用するので、刃物が切れるときに

かすかな音が出るくらいです。最近はイタリアオペラのアリア集を聴きながら仕事をしています。

枚方ではジュゼッペ・ディ・ステーファノとマリオ・デル・モナコ、京橋ではパヴァロッティをよく聴きます。それぞれのテノールも時代が

変わると歌い方が随分変わっていて、どんな歌い方の時でもオーケストラは大変よく歌に合わせていると思います。

アリアの指揮者は大変な仕事だなあと思ったり、またこんなに歌にうまく合わせるには指揮者も歌ってみて息継ぎする個所などは

分かっているのだろうかなど色々なことを考え始めます。

私の作業はネックを作るのが本来の目的なのに、渦巻のことはほとんど考えることはありません。次の日の仕事を始める前にネックを

見直してその時ちょっと考えるくらいです。渦巻はニスを塗る前ならいつでも修正できます。もうこの仕事を初めて膨大な量の渦巻きを

作ったので、工程作業を間違えることはなく、仕上がりが重く感じるか、軽く感じるか、また全体的な雰囲気が固いか柔らかいかなど

最近はバイオリンはオペラのアリアのように、どう感じるかが重要だと思うようになりました。

   


2018年11月19日 虎杢の道具立て  

京橋の工房でもやっと製作道具立てを作りました。 この板はこたつの天板を利用しました。ちょうど虎杢も入っていて道具立てに

ピッタリでした。ここではほこりの出る仕事や大きな音の出る仕事はしません。

ニス塗りやバイオリンの渦巻き、弓作り、毛替え、修理・調整などをやっています。

来年2019年5月開催の大阪市中央公会堂での関西弦楽器製作者協会の展示会には楽器の他にバイオリン・ビオラ・チェロの弓

を出展するので今からその準備をしています。

   

こたつ天板と作業机 

 京橋での弓製作


2018年10月31日 暴れん坊将軍バイオリン 第4号完成

1枚の大きな木から木取りしたバイオリンです。横板も6mm厚の材料を手鋸で2mm厚の板2枚に切り出します。

そうすると同じ虎杢の材料が2枚取れます。バイオリンのエンドピン側から横板を見ると中心のハギの部分から

年輪と虎杢が左右対称に広がっているのが見えます。

バイオリンの横板は側面から見ると3枚の横板が連なって接着してあります。そこにでる模様や年輪も一本の木から取った

ことがよく見えます。

写真ではちょっと分かりにくいですが年輪や虎杢が繋がっているのが見えます。このバイオリンの材料が木取りされた部分は大木の

根元付近の部分で、木の繊維や虎杢がねじれ曲がっていて、それが却って美しい模様となり工芸的に素晴らしい出来栄えとなっています。

このバイオリンは5〜6年前高槻の工房で作り始め、枚方の工房でニスを塗り、最終仕上げは京橋で完成したものです。

   

11月2日〜5日の東京・弦楽器フェア(日本弦楽器製作者協会主催)で出展しようと思っていましたが、完成してまもなく売れたので、

東京の弦楽器フェアには私の製作した別のバイオリンを出展することになりました。フェア会場にはバイオリン・ビオラ・チェロを出展

しているので、ぜひ試奏してみてください。


2018年10月4日 弓製作
ここ 京橋店では弓製作も行っています。当工房では私の製作した弓も販売していて、数は少ないですが、

バイオリン、ビオラ、チェロ弓を常時試奏できるよう揃えています。

   

 現在制作中のチェロ弓

 この豆カンナでペルナンブーコを削ります。

現在 チェロ弓製作中です。弓は楽器と比べると部品数が少なく、それゆえ製作道具も大変少ないです。

完成した時の寸法や重量はほぼ決まっているので、材料の性質特性を見ながら微調整しながら作っていきます。

構造が単純なだけ作り手の繊細さが重要視される仕事です。

   
荒取りは写真上の少し大きなカンナを使います。 アルコールランプで熱を加え弓に反りをつけます


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